giriのブログ

2018年2月26日 月曜日

ポリヴェーガル理論~改めて愛~雑誌への投稿に寄せて《ヒーリング 名古屋 クラニオセイクラル》



@山崎川


こんにちは

スタジオウーヌスのギリです。

日に日に春がやってきます。

梅や水仙が咲いています。

桜は、硬いつぼみが、花のいのちを育んでいます。

ご縁がある、教育労働ネットワークという雑誌にポリヴェーガル理論

について書かせていただきました。

今日は、その原稿をもとに、少し、まとまった文章を載せます。

初めてポリヴェーガル理論に触れる方、少しだけ知っている方

ミニワークショップやパスオブイフ(ボディワーク講習会)で

話を聞かれた方にもわかり易い内容と思います。

興味のある方は、読んでみてください。




ポリヴェーガル理論~愛と絆の神経理論

Ⅰ、はじめに



今、私が、興味を持って勉強しているポリヴェーガル理論を

紹介させていただこうと思います。

いや~難しそうな名前ですよね。

できるだけ、わかり易く書きます。

何故この話を書くのかと言うと

愛や絆がいかに人間にとって大事なことであるか

そのことを宗教や道徳、

あるいはスピリチュアルな話としてではなく、

神経理論、生理学の視点から 

私たちのこの身体に即して明らかにしているからです。

そして、新しい人間観を

私たちたちにもたらしてくれると思うからです。

最初に、ポリヴェーガル理論という言葉について、

ポリは、ラテン語で複数のこと、ヴェーガルは迷走神経です。

多重迷走神経と訳されたりしています。

ポリヴェーガル理論の提唱者、スティ-ブン、ポージェスの造語です。

迷走神経に関わる話は、後に回します。


Ⅱ、愛と絆に関する3つの例




まず、カナダから始まった、教育プログラム

Roots of Empathy Program(共感の根っこプログラム)を紹介します。


ご存知の方もあるかと思います。

生後2~4ヶ月の赤ちゃんを小学校等のクラスに連れて行きます。

週に1回同じ赤ちゃんを9ヶ月続けるそうです。

すると、子どもたちは、自然と赤ちゃんに注目し、

継続的に世話をし、成長のプロセスを共有します。

この過程で、赤ちゃんのニーズを理解し、

深い感情レベルで赤ちゃんと出会います。

そのことを通じて、自分自身の感情、感覚等の

感受性により深くつながることができるようになります。

そしてクラスメートともより深い関係が生まれ、

クラスから暴力や非行が減り、クラスが安定し、

成績も向上するとレポートされています。

赤ちゃんと言う純粋無垢な存在と出会うことにより、
子どもたちは、他者を感じ取る力、共感能力を培います。



もう一つ別の例です。

この写真は、「生命を救ったハグ」という有名な写真です。

未熟児で生まれた姉妹、

一人の赤ちゃんが、死にかかりました。

一人の看護師が、病院のルールを破り、

二人を同じ保育器に入れました。

元気な方の赤ちゃんが、腕を差し伸べ、ハグをしました。

すると、心拍が安定しだし、血色がよくなり、

死の危機から生き帰りました。




今度は、セラピードッグ

犬が、病気の回復や、学習をサポートすることが、

数多くレポートされています。

ニューヨークの学校で、犬が1週間に一度、

クラスにやってくるプログラムを行ったそうです。

そこで、一人の男の子が、一人の場合、

1分間45語読むところ、犬と一緒に本を読むと、

1分間93語まで読むようになったと報告されています。

この3つの例は、共感する力、寄り添うこと、

愛が、いかにいのちの営みに

とって本質的なことかを物語っています。


Ⅲ、愛を育む場所



私たちの愛情は、どのようにして育まれるでしょうか?

私たちは、人と交わる力、愛情、絆を最初に、

母子関係の中で培います。

哺乳類の赤ちゃんは、母親からの母乳が、

生命維持にとって絶対条件です。

母乳を得るため、表情を作ります。

赤ちゃんの愛くるしい表情は、養育者からの注意を引き、

母乳を与えられたリ、

世話を受けたりすること引き出します。

表情を作ったり、声を出したり、聴いたり、見たり・・・

人と関わる力が養われます。

人と関わることに関する神経

(顔面神経、三叉神経、舌咽神経、迷走神経、副神経)を

ポージェスは、社会神経と名付けました。


Ⅳ三位一体の自律神経

ここで、自律神経の話をします。

自律神経は、リラックスしたり、消化の働きを司る副交感神経。

心拍、呼吸、血圧を上げ、より行動的になる交感神経。

この二つの神経系が、相互作用をして

身体の恒常性を維持していると考えられてきました。


脳幹と脳神経の図


ポージェスは、副交感神経の大部分を占める迷走神経が、

2種類あり、2つの機能を持っていることを発見しました。

いわゆる副交感神経としての背側迷走神経

(これは、脳幹の背中側に神経の起点である

神経核があることから来た名前です。

図の右下に迷走神経背側核があります。)

そして腹の側にある腹側迷走神経。

左下にある疑核というのが、迷走神経腹側核です。

腹側迷走神経は、表情を作ったり、聴いたり、

声を出したりする他の脳神経と一つになって

関係性に関わります。




有鞘の神経線維の図


特徴的なこととして、これらの神経線維は、

交感神経、副交感神経とは違って鞘(図の青い筒)に護られ、

情報が素早く伝達されます。

哺乳類とともに現れた神経です。

動物の進化のプロセスで、最も新しい神経組織です。

人間は、社会神経が最も発達した生物です。

人と関わること

そのことの中で培われことが、

いのちにとってどれほど大切であるかを先に上げた

3つの事例でわかっていただけたと思います。

ポージェスは、社会神経、交感神経、副交感神経の3つの神経系が

一体になって、環境に対応する、身の安全を守る、と考えました。

人格や感情にも人それぞれの自律神経の

パターンが背後にあると考えます。

逸話を一つ上げます。

アメリカで、起こった着陸に失敗した飛行機事故の直後、

テレビ局のアナウンサーが、救出された乗客にインタビューをしました。

その乗客の答は、

「私何もわかりません。気絶してしまいました。」

インタビューの予想した答とは、違っていたので、

アナウンサーは、きょとんとしていました。

インタビューアーは、

「びっくりして、怖くて、パニックになりました・・・・」 

そんな答えを予想していました。




自律神経の図(青色∼社会神経系、黄色~交感神経系、赤色~副交感神経系)



インタビューが他の何人かに続きました。

ある人は、怖れ、怒り、大騒ぎ・・・・

別の人は、冷静沈着に、飛行機のクルーと協力して、

乗客のリーダーのようにふるまいました。

あなたは、どんなふうに、危機の時に、振る舞いますか?

振る舞うと思いますか?

この中で、冷静沈着に行動する人は、社会神経系が働いた人です。

人と関わり、環境に対応する力を持っている人です。

大騒ぎした人は、交感神経系です。

闘ったり、逃げたりする時のアドレナリン全開モード

気絶した人は、副交感神経系、ショックに入り、

外界との関係を閉ざします。

副交感神経が活性化するとこの状態に陥ります。

(副交感神経は、進化の歴史の中で最も古い神経系です。)

動物の死んだふりがそうです。

シカが、ヒョウに襲われます。捕まる直前に、ショックで倒れます。

ヒョウは、安全のため、死んだ動物の肉を食べません。

ショックで、死んだふり状態のシカは、

多くの場合、こうやって生命を守ります。

そしてショックから目を覚ますと、

身震いをしてショック状態の中で、

体内に蓄積されたエネルギーを振りほどきます。

人間の場合、ショックを受けた後での身震いをしないために、

エネルギーが神経に凍結されトラウマが残ります。

もう一度赤ちゃんに戻ります。

赤ちゃんは、母親からの母乳や必要な世話を求めて、

愛くるしい表現をします。

社会神経系の働きです。

それでも、必要なものが与えられない時は、

泣き叫びます。

交感神経系の働きです。

泣き叫んでも満たされない時は、

シャットダウンして凍結します。

副交感神経の反応です。

夫々、身を守るための反応です。

私たちの他者、外の世界との反応は、

この3つの反応の仕方、

3つの神経系の機能の仕方

の組み合わせです。

大騒ぎした後、急に閉ざしたり、

あるいは人と話しだしたり・・・

人それぞれ、パターンがあります。

それは、赤ちゃんの時から大人になるまでに

私たちが身に付けてきた、

一人ひとりの身を守るやり方です。

そして多くの人が、もう必要のないパターンを繰り返して、

人との関係に無意識に反応しています。

思い当たることは、有りませんか?


Ⅴニューロセプション

ポージェスは、ニューロセプションという言葉を作りました。

神経知覚、神経反応と言う意味です。

私たちの行動、無意識な行動が、神経の反応、

そこに負荷されたエネルギーに条件づけられた

反応として起きていることを示す言葉です。

大脳新皮質からくる理知的な行動とは、

別の非理性的な行動パターンです。

そして私たちの行動は、多くがニューロセプションから起こります。

では、私たちは、その無意識な行動から自由になれるのでしょうか?

神経系に負荷されたエネルギーを解放することにより、

私たちは、より自由な行動をとることが可能です。

そして社会神経系(腹側迷走神経)の活性化が、

様々な自律神経系の不全から生ずる症状の改善に

つながるということが検証されています。
(一人でできるエクササイズもあります。)

下記リンクのブログで、エクササイズをいくつか

紹介しました。


Ⅵ最後に

ポリヴェーガル理論は、社会神経系(腹側迷走神経)が、

十全に機能することが、健全な心身、人間関係、

そして集団や社会の発展、成長をもたらすことを教えてくれます。

社会神経系を育てることは、

遊びや様々な人間的な交流を通して、

愛や絆を育てること、

寄り添態度、条件付きでない愛の中で起こります。

このように、

ポリヴェーガル理論の光を通して、

私たち自身のことを見直してみると

いかに絆や愛が、人や自然、世界との健全なかかわりが、

私たちにとって、本質的なものであるかが理解できます。

そしてそれを育て、

私たちが進化していくことが、

私たち人類に与えられた宿題であり、

この美しい惑星が生き延びるために

今必要な人類の試練と思います。


私たちは、愛によって生まれ、育まれ、

愛を育み、育てる存在です。

そして、宇宙的な愛と一つになります。


このように書くと、

アインシュタインの娘への手紙を思いだします。

数年前に公表されたものです。

そこでアインシュタインは、このように述べています。



愛は光だ。

それは愛を与えかつ受け取る者を啓発する。

愛は引力だ。

なぜならある人々が別の人々に惹きつけられるようにするからだ。

愛は力だ。

なぜならそれは私たちが持つ最善のものを増殖させ、

人類が盲目の身勝手さのなかで絶滅するのを許さないからだ。

愛は展開し、開示する。

愛のために私たちは生き、また死ぬ。

愛は神であり、神は愛だ。

この力はあらゆるものを説明し、生命に意味を与える。

これこそが私たちがあまりにも長く無視してきた変数だ。

それは恐らく、愛こそが人間が意志で駆動することを学んでいない

宇宙の中の唯一のエネルギーであるため、

私たちが愛を恐れているからだろう。



2つ、ポリヴェーガル理論に関する私の文章を上げます、
興味のある方は読んでください。

ポリヴェーガル理論~人間にとって安全とは何か?(論文)

迷走神経のヒーリングパワー&エクササイズ(ブログ)

ポリヴェーガル理論も扱っているとてもわかり易い日本語の本が最近出版されました。
「今ここ神経系エクササイズ」浅井咲子
お勧めです。



3月3(土)4(日)パスオブライフ(ボディワーク講習会)




2018ゴールデンウィ-クOSHOリゾート瞑想ツアー


最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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